妻が参加するコーラスグループ(のひとつ)「はらっぱ音楽隊」の発表会が先日あった。
「はらっぱ音楽隊」は、毎年大泉井頭公園で行われる「白子川源流まつり」に参加して、野外ステージで歌っている。
ちなみに白子川というのは、練馬区東大泉にある大泉井頭公園を源流として、ほぼ北東方向へ和光、成増を経て、高島平の辺りで荒川水系の新河岸川に流れ込む一級河川の名前だ。そして「白子川源流まつり」は、この白子川源流の湧水とその水辺環境の保全をPRしようという趣旨で、2001年から行われているイベントだ。
さて、今回も「はらっぱ音楽隊」で妻が出演するというので、ぼくは前日からGoogle Mapで経路と時間を調べ、準備をした。大泉井頭公園は、西武池袋線の大泉学園駅を降りて南口から10分強の場所にある。
妻の出演は14:00頃だ。到着時間を変えて何パターンか調べると、電車の時間によっては大泉学園から行くよりも(所沢からみて)ひとつ手前の保谷で降りる方が若干だが早いようだった。よくよく地図を見ると、そもそも大泉井頭公園は大泉学園と保谷のほぼ中間くらいに位置していて、大泉学園からだと駅を出て少し戻るかっこうになるので、保谷からの方が早いのももっともなのだった。
よしよし。新しい発見にぼくは独りほくそ笑みつつ布団に入る
当日、予定通りの時間に家を出て、所沢で池袋線に乗り換える。
予定通りの時間に急行がやって来る。乗る。
ところが、保谷に着いたところで事態は急転直下、突然腹痛に襲われる。背に腹痛は変えられず^^; 改札を出て、左手に見える西友に飛び込む。
何とか事なきを得て西友のトイレを出ると、わりとギリギリの時間になっていた。13:46
急がねば。
西友を出て、改札を反対に横切り、階段を降りる。スマホの地図と見比べながらロータリーを歩いて行くと、なんか目の前の道の形状とスマホの地図が違う。ん?と思って見上げると、太陽が後ろにある。南口のつもりがぼくが出たのは北口だった。
焦りながら駅まで戻り、階段を登り直す。また改札を横切ってさっきの西友の方に出る。最初から西友側の階段をそのまま降りればよかったのだった^^;
スマホを見ながら駅前の道を左に曲がる。
そこからはだいたい一本道だ。歩いている途中で妻からLINEが入る。13:50
来れそう?
いま保谷から歩いてます(^^)v
信号を渡り、さらに歩く。
住宅街に入る。また妻からLINE。13:55
もうすぐ?
もうすぐそこ
やがて白子川に沿った緑道が見えてくる。13:57
やれやれ。
緑道に立って左右を見回す。Google Map上ではこの辺りが大泉井頭公園になっているが、会場はもう少し南、もしくは北らしい。
南?北?どっちだ?
どちらからかイベントの賑わいが聞こえるかなと思ったが、それらしい音はまったく聞こえて来ない。
時間がない。13:58
野性の勘にしたがって、ぼくは右手(南)方向に歩き出す。
歩いて行っても賑わいはまったく聞こえて来ない。人もあまり歩いていない。もともとそれほど大きなイベントではないので、人が少なくても不思議はないと言えばないのだが。
やっと見覚えのある風景が見えてくる。14:00
しかし、人がいない。屋台も出ていない。ここじゃないのか?
まだ先へ行かないといけないのだろうか?保谷側から来るのは初めてなので、どうも勝手が違う。
妻からLINE。
はじまるよ
仕方ない。演奏がはじまって途中から見る感じだな。妻よ許せ。
とか思いながら遊具の間を回り込むように歩いて行くと、川辺へ降りる階段があり、一組の母子が遊んでいる。なんか見たことのある広場がある。どう見てもこれのような気がする。なんで誰もいない?
とそこで、突然雷に打たれたように、あるひとつの感触がぼくの脳裏に甦ってくる。
ひと月ほど前自分でスマホに今日の予定を書き込んだ時の…。その時会場名もたしかに書き込んだ。大泉学園駅北口の大泉教会と。
そう言えば、と芋づる式に思い出すのは、昨日Google Mapで大泉学園付近を検索した時に、なんか意味ありげに大泉教会の名前が出てきたこと...。
瞬時に頭をめぐらせる。ここから大泉学園駅まで10分強、駅から教会までさらに10分。時計を見ると14:02。妻たちの演奏は30分くらいと言ってたので、着く頃にはほとんど終わっている計算だった。
妻にLINEする。
白子川だと思ってた
がーん(笑)
妻は一瞬にしてすべてを察したらしい。
小春日和の日差しの中、子どもが走り、母親が見守るそのおだやかな風景の中で、白子川源流をめぐるぼくのささやかな旅は終わりを告げたのだった。
あー疲れた…(そういえば「白子川源流まつり」は去年の10月に終わったばかりだった...^^;)。