奇妙な光景。
退任して子会社の社長に降った専務が、私の上司の経営企画担当執行役員のところに立ち寄っていった。
何やらふたりで腰をかがめて謙遜しあっている。
「あーどうもいつもお世話になっとります」と元専務の子会社社長。
「何をおっしゃいますか。こちらこそ」と執行役員。
社長とは言え、子会社の身分となれば格下。このあいだまで部下だった相手に頭をさげる気分ってどうなんだろう。
「なんのなんの」と笑っている執行役員も、相手はもはや影響力のない立場。礼儀を尽くして腰を屈めながらも、すでに見切っているのだろう。
どちらも笑顔で、それにふたりの人柄もあって悪い感じはしないのが、せめてもの救いだが。
つくづく(日本の)会社ってヘンなところだと思う。