2020年8月21日金曜日

リモートワーク

午前中に一度、ミネラルウォーターを買いに近くのコンビニに行くことにしている。

買った物を裸のまま抱えて店を出ると、車が行き交う幹線道路の向こうにも住宅街が広がっている。狭間に少し畑も見えたりして、まだそれほどには暑すぎない午前中の夏の日差しを浴びて長閑な郊外の光景だ。

 

 

もう何ヶ月も会社に行っていない。

 

決して首になったとか、嫌気が差して辞表を叩きつけたとかいう訳ではない(笑)。緊急事態宣言からずっとリモートワークで仕事をしている。

 

こういう事態になるとかえって仕事が増えるポジションにいるので、毎日朝から晩まで頭の中は仕事のことで一杯だし、それなりに会議も入っているので、ぼくの脳細胞はパソコンとiPhoneを通してずっと会社という名のネットワークに接続されていて、その中でいろんな問題を処理したり(もしくは処理できなかったり)している。

にも関わらず、ぼくの物理的実体はずっとこの郊外の住宅街にいて、寝室を兼ねた仕事場のデスクの前にずっと座っているのだ(時々ベッドに寝転がったりしているが)。そして、日に何度かこうして住宅街の間を歩いてコンビニに行き、クルマで妻と食事に行き、または近所にお茶をしに行く。それはとても不思議な状況だ。

 

コンビニの帰り道に下校途中の小学生の集団に出くわすこともある。また家にいて仕事の合間に宅配便を受け取ったり、宅配便を受け取ったり、また宅配便を受け取ったりもする中で、あそうか生活してるってこういうことだよなあと、普段満員電車で通勤しているとほとんど知ることのない平日の生活感をしみじみと味わっている。

 

そう言えば高校生の頃、退屈な授業を聞きながら窓の外を眺めては思っていた。こんな風に明るく降り注ぐ日差しを横目に見ながら、子どもの時代をこうしてずっと電灯の点いた教室の中で過ごして大人になっていくことが果たしていいことなのだろうかと。

転職を決める前も、ずっと内勤が続いていたせいもあって、このままずっと定年まで朝晩会社と家を往復するだけで、日中はずっとオフィスの中で過ごすのかなと考えては、何かもっと別の働き方がないものだろうかなどと考えていたのだった(結局転職した今も内勤のままではあるのだが^^;)。

 

リモートワークをするようになって、そんな問題?があっさりと片付いていることに気づく。自宅にいてこうして仕事をしながら、一歩外に出ればそこには平日の住宅街の風景があり、子どもたちの姿がある。

もちろんいろんな事情でリモートワークができない人もいると思うし、リモートワークが広がることで商売上がったりになってしまう人もいると思うが、そういうことを全部抜きにして言うなら、この流れがこのまま定着していくといいなと思う。